走行中に 「ゴトゴト凄い音がします!」と御入庫です。試運転しますと、「よく ここまで自走してきましたね」と思う位の轟音です。
原因はアングルギヤ(センターデフとか、トランスファとも言う)の内部です。
分解しますと プロペラシャフトが接続するフランジのベアリングです。
ベアリングがデコボコになってます。
相手のベアリングレースも傷だらけです。
今回は この中古と交換します。交換後 静かな走行に戻りました。しかし新品はA/Tのリビルトより高額なんて。。。
作業も だいたい完了したので 構造変更検査をうけます。「公認」です。
「動力伝達装置を前進手動5速変速機へ変更」です。
型式にも ( 改 )が入りました。
車両重量も 1730kgから1690kgに減量です。
今回は お客様の御依頼ではなく 在庫車両ですので、中古車として販売します。
2000yのAWDのM/T化は 初めてだったので試作感覚でしたのでベースになった車両は
14万km走行で小キズも多いです。完了後に試運転は 沢山したので、すぐ乗り出せます。
不具合は電動格納ミラーが無い所ですが 現状販売です。詳しくは 在庫車両のページを
見て下さい。近日、アップします。
室内は シフトレバー ペダル類 クラッチマスターの取付け等です。
A/Tのブレーキペダルを外して M/Tのペダルを取付ます。ダッシュボードの奥なので 作業は大変です。アクロバチックな体制で作業します。この時にクラッチマスターも取付ます。
A/Tはリンケージワイヤーが1本ですが、M/Tは2本です。縦方向と横方向です。
組上げ後は こんな感じです。
この後 クラッチオイルのエア抜きをして ニュートラル信号配線やリバースランプの配線を加工します。
完了したら、試運転です。
2000yモデルのV70Rには5速マニュアルが ありません。時々、マニュアル車の問い合わせがありますが、850やV70T5でも希少です。
今回はA/TをM/Tに載せ換えました。
とりあえず、ミッションの交換から始めます。エンジンメンバーを外す必要があるので ハンガーでエンジンを吊り下げる準備です。その後、エアクリーナー周辺を外し スターターやミッションの上側を外していきます。
メンバーを外した後、エンジンを少々傾けて A/Tをはずします。次にフライホイールを取付ます。
外したメンバーやプロペラシャフト、A/T、M/T、など お店が広がってしまいます。
ミッションジャッキからA/Tをおろし、M/Tを載せますが A/Tは二人でやっとおろせる位 重たいです。M/Tは一人で持ち上がります。軽くなる事は良いですね。
M/Tを取付ます。エンジンへの固定もミッションが小さいのでA/Tより楽です。
デフやドライブシャフトを取付てエンジンメンバーを戻します。
タイヤを装着したら 一旦着地して 室内の作業に移ります。
メーターの矢印マークが点滅し、3速固定になっています。リバースランプの点灯しません。
テスターで確認しますと ギヤポジションセンサーの不良です。インヒビタースイッチとも言います。
交換にはエアクリーナーやバッテリーを外す必要があります。又、A/Tのオイルレベルゲージと共締めなので それも外す必要があります。
このインヒビタースイッチの中の接点が磨り減ってしまい 今回のような不良を起こします。
分解して接点だけの交換方法もありましたが、今回は接点の相手側の減りもあったり 動く部分のガタもあったので Assy交換にしました。
交換後、テスターで更正と 冷間時と温感時に作動を点検して 完了です。
お客様から 電話です。「ラジエターのホースが抜けている」。
285ではラジエターのネック折れは まだ未経験でしたので とりあえずレッカーしました。
左が折れた ホースの差込口です。右が新品です。
社外のラジエターで交換作業です。ターボ車なのでインタークーラーと同時に脱着します。
装着後 電動ファンなどを復元していきます。
エキスパンションタンクも ヤバイ状態だったので交換しました。
ドアが開けられないので御入庫です。
最近ドアロックのリンケージのプラスチック部分が劣化で破損する事が増えてます。
ドアを分解して ドアロックAssyを外します。
右のドアロックのリンケージが外れてしまってます。
この穴にリンケージを固定するプラスチックのパーツが 付いています。
これが 正常な状態です。
この部品だけ出れば良いのですが 供給はドアロックAssyです。
今回は中古を組み付けて完了です。
V70の水温センサーとサーモスタットの交換です。水温センサーは水漏れ、サーモは開きっぱなしです。
水温センサーの配線の付根から漏れていました。LLCが緑に乾いて付着しています。
左が新品です。冷却水やオイル類のセンサーは 今回のような漏れ方をする事があります。
破損したサーモスタットです。夏場は気付かない事が多いです。寒くなりヒーターが効かなかったり水温計が上がりづらい、走ると下がってしまう、等が症状です。
組み付け後、漏れたLLCを お湯で洗浄します。そのままですと、緑の跡が残ったままになってしまいます。
「また漏れてます」って事にならないように、良く洗浄して完了です。
ボンネットを開けると オイルの焼けた臭いがします。
ヘッドカバーから漏れたオイルがエキマニに たれています。火災事故にもなる可能性があるので
至急、修理します。
希少なV8エンジンです。 カバーパッキンを交換するにはインマニを外す必要があります。
しかし、でかいエンジンだ。。。
ヘッドカバーが外せる状態になりました。作業は片バンクずつやります。
まずは 簡単に手前から。古いパッキンは カチカチでプラスチックみたいです。
奥側は フューエルラインがあったり せまかったりで、難儀です。
交換後、復元します。インマニは2段に分割され、間にはインジェクターパイプや配線があるので
慎重に作業します。
最後に エンジンルームをスチーム洗浄して完了です。
V70(875)は ダッシュボードが「バキバキ」とか「ミシミシ」とか、走行中に外れてしまいそうな音がするようになる事が多々あります。
今回 これから納める中古車ですが、登録に陸運局に行く道中 バキバキ音が酷く 「修理しないとダメだな」となりました。
とりあえず、ダッシュボードを外します。
よく、見る風景です。今回はエバポレーターの交換とかでは無いので これ以上は分解しません。
ダッシュボードを固定するネジの相手側が こっぱみじん になってます。
そのカケラと 脱落したネジの相手側です。
このように エポキシでガッチリ固めます。念のため24時間 放置して固めます。
この後、再現して試運転します。バキバキ音は消えました。後日 無事に納車です。